スペース・トラベリングができる1枚。THE PINBALLS「100 years on spaceship」

ロックバンド・THE PINBALLS
2nd mini ALBUM "100 years on spaceship"が
2012年4月18日にリリースとなる。

前作ten bear(s)よりさらなる進化を遂げた
このアルバムを例えるなら「スペース・トラベリング・アルバム」だ。

さぁ、レビューとともに
一緒に宇宙を旅しよう。

1. 地球最後の夜

ブルージーなテンポ。
宇宙旅行の始まりは
暗闇に覆われた空に浮かんでいるような感覚。

それは今作のジャケットをイメージしたものでもある。

渋いギターから入り、
体が自然とリズムに乗る。
歌詞も退廃的な言葉が多く、世界観がしっかりとできている。

ライブでしっかりとカラーが出る曲だと思う。

2. 悪魔は隣のテーブルに

今回のアルバムのリード曲にもなっているロックナンバー。
ドラムがフィーチャーされていてリズムが映える曲となっている。

あまりうるさくもなく、
スーッと曲に馴染んでいく。
だが、宇宙旅行はガラッと動き、転がり始めた。

PVもYouTubeにアップされており、
こちらはコマ送りで作られている。

今作のアルバムのイメージを
詰め込んだものとなっている。

ぜひチェックして欲しい。

3. ICE AGE

疾走感があるナンバー。
今までのTHE PINBALLSが鳴らす王道の曲。
宇宙旅行は一気に風景を変えるように激流を流れ始める。

歌詞も今の彼らの熱い思いが詰まっている。

サビがそれを象徴しているようだ。

道が辿れなくたっていいさ
君が待っているのなら
行く先はひとつだ

荒地を選んで這ってゆけ
一滴の血も 涙もいらない
ただ好きな色に 胸を焦がしてゆくんだ

ギターサウンドがビッシビシに鳴らされながらも、
ベースをフィーチャーされており、
彼らの王道らしく、バランスの取れた曲になっている。

4. 299792458

宇宙を浮かんでいるようだ。
宇宙服を着た宇宙飛行士が浮かんでいる。

"299792458"は
ライブでもおなじみとなっており、
光の速さを指すタイトルとは逆のスローナンバー。

ベースが曲の流れを作っている。
また、サビのコーラス部分が非情にいい。
雨の中で聞きたい。

THE PINBALLSのブルース曲。
ROCKを鳴らす彼らのビターナンバー。

5. HORRORS OF THE NIGHT

ライブで盛り上がる曲になりそうな曲だ。

スピード感あふれる曲。
力強い声に思わず拳を上げたくなる。
"oi!"と間奏中に叫びたくなる。

激しさと
感情が入り混じった
力強いビート。

サビのメロディがグッと来る。

イメージしたのは
"けものに変身する男だ"
まるでそれは狼男のように。

6. SLOW TRAIN

ガラッとここで変わり、ポップさが増す。

ギターの刻む音が
列車が走っていく風景を
浮かばせる。

新しい彼らの一面を見せてくれる。

爽やかな曲で
本当に今までの荒々しさがあった
彼らとは思えないが、
もしも彼らがポップな曲を作ったなら…と思うと
この曲ができあがるのは想像できそうだ。

タイトルのように
晴れた日の鈍行列車に
揺られながら聞きたいナンバー。

歌詞の通り、
別れの曲。
爽やかに宇宙旅行は終わりに向かう。

7. カカオ

ラストはブルース色に染まった"カカオ"。

宇宙旅行もここで終わる。
まるで世界の終りを渋い男が憂いているようだ。

悲しい思いがするよ
チョコレートが溶けていくように
もう戻れない
君の事を好きだった気持ちも

いつか
神様に奪われる
それでもなんの味もしない永遠よりも
カカオのチョコレート
かじる

永遠よりもこの一瞬を生きる、
というメッセージが胸にグッとくる。

スペース・トラベリング・アルバムの終着駅

今の彼らを詰め込んだ全7曲。

今作は
ブルース色と
ロック色が強い。

コンセプトアルバムのようで
一曲だけを聞いてもいいが、
やはり1曲目から終わりまで通して聞くと、
物語を辿っているようで気持ちがいい。

リピートしてもつながっているようで
永遠に終わらない世界を歩いているようだ。

また、今作はプロデューサーにGLAYJUDY AND MARYなどの
有名なミュージシャンを手がけた佐久間正英を起用している。

彼らが音楽業界の中でも
アルバムの完成度も
非常に高くなっていると実感できる納得の1枚。

ぜひチェックしてみて欲しい。
THE PINBALLSのこれからに目が離せないはずだ。

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