矢口史靖監督作品・"ロボジー"を観てきた!

ROBO-G
photo from facebook page.

"ロボジー"を観た。
急に観たくなったので、
思いついたその足で映画館に向かった。

それが公開初日のこと。

今日は映画のことを。

ロボジーのストーリーはこうだ。

家電メーカー、木村電器の窓際社員、小林・太田・長井の3人組は、
ワンマン社長から流行の二足歩行ロボットの開発を命じられていた。
近く行われるロボット博での企業広告が目的だ。

しかし、ロボット博まであと1週間というところで、
制作途中のロボット“ニュー潮風”が木っ端微塵に大破!
窮地に追い込まれた3人は、ロボットの中に人間を入れて誤魔化す計画を立てる。
ロボットの外装にぴったり収まる人間を探すため、
架空のオーディションが開かれ、
仕事をリタイアして久しい独り暮らしの老人・鈴木重光(73歳)が選ばれる。

しかし、この鈴木がとんでもないジジイで・・・。
さらには、“ニュー潮風”に恋をしたロボットオタクの女子学生・葉子も巻き込み、
事態は思わぬ方向へ転がり出す―。

と、かなりぶっ飛んでいるストーリー。

コメディなので、何でもありな感じがするが(笑)

キャストもすごい。
ミッキー・カーチスこと"五十嵐進次郎"や
若手女優の"吉高由里子"、"濱田岳"、Wエンジンのボケ担当・チャン カワイこと"川合正悟"。

他にもこんな人が出ているのか…という人ばかり。

そして、監督は"矢口史靖"。
ウォーターボーイズスウィングガールズ
ハッピーフライトを監督したあの矢口史靖だ。
(個人的にはスウィングガールズがすごく好きだ)

ひとまず、御託を並べるのはこれぐらいにして、
観た感想を書いてみる。

"五十嵐進次郎"の演技がすごくいい

本当にいいです。

"五十嵐進次郎"というキャラクターは本当にそこらにいるじいさん。

自分勝手で、家族からはうざがられ、
だけど、かまってほしくて、見栄っ張り。

そのどこにでもいるじいさんの演技が本当にナチュラル。

劇中、ニュー潮風(ロボット)の中に入った五十嵐進次郎が
子供夫婦の家に行くシーンがあるのだが、
ここがまた切なくてしょうがなかった。

ニュー潮風の中に入っているのが、
まさか自分のじいちゃんだと思わずに接する孫たち。

そこで孫と写真を撮るシーンで
孫が"なんかおじいちゃんみたい"と言うシーンがあるのだが、
状況的に正体をばらしてはいけないっていうことと
孫にかまってもらっている状況。

この2つで揺れる心境が切なかった。

こんな繊細な演技ができる彼は本当にすごかった。
ぜひ、映画館で見て欲しい。

吉高由里子の演技もやっぱすごい

最近はテレビのバラエティで吉高由里子をよく見る機会があったが、
きちんと演技を観たのはこの映画が初めてだった。

しっかし、ぶっ飛んでいるキャラクターだった(笑)

劇中の設定はロボットに恋するロボット研究会所属の女子学生の役なのだが、
すごく自然過ぎる役だった。まさにはまり役。
というか、あれが自然な姿なのかも…と思うぐらい。


とある場面で、恋する気持ちが冷めてしまうところの演技も本当にすごかった(笑)
ぜひ、これは見て欲しい。

あと、スクーターに乗って投げキッスをするシーンもキュートすぎた。

ヒーローと葛藤する気持ち

誰もがヒーローになりたい、と一度は思ったことがあるはず。

主人公の"鈴木重光"もその1人だ。

家族や周りの人にかまってもらいたいけど、
素直にその気持ちも言えず…。
そんな時にロボットの中に入り、脚光を浴びる。

脚光を浴びるロボット。
まさかロボットに人が入っているなんてことはバレてはいけない。
だから、自分が中に入っていることなんて言えない。


そのもやもやする気持ちの間で葛藤する主人公。

その中で見つける気持ちだったり、
ちょっと行きすぎてしまう気持ちだったり、
ロボットなのに、人間味が溢れてしょうがない。


ハートウォーミングストーリーだ。


もう1つ見所を追加するならば、
"窓際社員、小林・太田・長井の3人組の成長"だと思う。

最初はいかにごまかそうか…と考えていたが、
いろんな人に出会い、いろんな状況に置かれるにつれ、
彼ら3人にも心境の変化が現れる。

その心境の変化っていうのも見ていて、
胸にグッと来るものがあるので、これも見逃せない。



今回観た、"ロボジー"は爆笑の連続ではなかった。
時折、クスクスが続いたり、こうきたか!と思えるような場面が散りばめられている。

そして、当然笑いだけでは終わらない矢口史靖監督作品。

ストーリーがうまいなぁ…とか毎回思う。
ここでこうつながっていたのか…と設定もうまい!


2012年の初映画が胸があたたかくなる映画でよかった。

今年もこんな映画が増えて欲しい。