東京事変が鳴らす最後の一秒まで

Tokyo Incident
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2012年1月11日。
東京事変が解散を発表した。

あまりの突然なことにショックを受けた。

"椎名林檎がバンドをするらしい"という根も葉もない友人が話していた噂を思い出す。
まだ東京事変の片鱗すら見せていない時期のことだ。

しばらくして"東京事変"という名前が世に出て、
椎名林檎とはまた違う音楽に自分は胸を打たれた。

特に"群青日和"のPVの椎名林檎は美しい、と話題になった。
いや、その美しさは変わらない。


東京事変というバンドは自分にとっては"beauty & cool"なのだ。

音楽で魅せる美しさ、儚さ、切なさ、輝き…

全てが眩しい。


個人的には"スポーツ"というアルバムが最高傑作だと思っている。
もちろん、これはファンによって好みが分かれるが、
バランスの取れた名盤だと思っている。

"能動的三分間"のようなクールな曲もあれば、
"閃光少女"のように時に切なくも、風の様に吹き抜けていく曲もあれば、
"スイートスポット"のようなスローでブルージーな曲もある。


東京事変というバンドが一貫して魅せて(示して)いたものは
"人生は美しい"ということなのかもしれない、と時折思うことがある。


教育に始まり、
娯楽、大人、娯楽、スポーツ、
そして、大発見。

彼らの歩んだ軌跡はテレビのように色様々。

そして、それらに魅せられる。

人生も同じだ。
いろんな人生がある。

歩む道は様々だ。
だが、どの人生もバラエティ豊かでそれぞれに輝きを持っている。


彼らの放つカラーはその人生の色のようにも思えた。



東京事変は2012年2月29日に解散をする。


おそらく、彼らが再結成ということはしないと思う。
潔く、終わりを告げるだろう。

確かに彼らの解散は悲しいかもしれない。

だけど、彼らの歌を借りて、

ことばでも数字でも
表せない理想描いて
塗り替えて確かめて
最先端未来の景色を
君の期待通り世界は
今日から真新しいね
終わりのない営みへ
限りを尽くす日々が
幸せを繋いでくれるはずさ
悲しみも携えて生きてこう

〜21世紀宇宙の子 より

人生は美しい。

この歌が歌っているように、
悲しいこともあるけれども、
それ以上に真新しい世界が待っている。

だから僕らは未来を期待する。

彼らの今後の音や彼らが鳴らす最後の一秒まで楽しみで仕方が無いはずだ。

そんなことがある人生は
きっと美しいに違いない。